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ふみごよみ

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ふみごよみ 令和3年度第3号(令和4年1月発行)

1年生の先生方から紹介していただいた「おすすめ本」

書 名:『ビブリア古書堂の事件手帖』
著者名:三上 延

内 容
 古書に関する知識が豊富で、人づきあいが得意でない主人公の古書堂店主 篠川栞
子が、古書堂で一緒に働く五浦大輔や妹の篠川文香、せどり屋の志田などの個性豊かな登場人物たちと関わりながら、数々の古書にまつわる謎を解き明かしていく連作の物語。北鎌倉にあるビブリア古書堂には、様々な人たちが様々な事情で現われ、ある人は買い取って欲しい本を持ち込み、ある人は栞子が所持する本を譲ってほしいとしつこく迫る。子どもの頃読んだ本が何だったのかを知りたいという相談をする人も登場する。2013年には剛力彩芽主演でテレビドラマ化もされている。

先生からの一言
 登場する古書の中には、夏目漱石、アンデルセン、宮沢賢治、江戸川乱歩などのように広く知られている作家たちによるものもあれば、ヴィノグラード・クジミンや福田定一のように知っている人は知っている作家たちによるものもあります。また、語り継がれる童話などもあります。この本をきっかけに、登場する作家や作品に目を向ければ、読書の世界は大きく広がります! シリーズを通して、少しスリルとサスペンスがあり、筋の追いやすい短編(長編もある)はすらすら読めるのも魅力です。



書 名:『天才の栄光と挫折 数学者列伝』 
著者名:藤原 正彦

内 容
天才と呼ばれた9人の数学者、ニュートン、関孝和、ガロワ、ハミルトン、コワレフスカヤ、ラマヌジャン、チューリング、ワイル、ワイルズの人生の軌跡を描いたノンフィクションエッセイです。
 現在まで名を響かせるような天才的な業績を残した数学者たちでも,数学一本にその生涯を注ぎ込むことができたわけではなく,経済的な問題,家族の束縛,その時代の嵐や宗教の足枷等が障害となって立ちはだかることが多々あったことが描かれてます。そして,それにもめげずに数学への情熱と才能により,歴史に名を残す偉業を成し遂げる過程が書き記されています。

先生からの一言
 私はこの本を読んで、特に和算の関孝和と「フェルマーの最終定理」を証明したアンドリュー・ワイルズの章が印象に残っています。                                                                       │
 関孝和をはじめとする和算家たちは、暦学に奮闘する中で、日本一国のみの力で18世紀末には、同時代のヨーロッパ対抗できる、代数学や微分積分学にまで到達していました。大変驚きです。
 ワイルズは、10歳の時にフェルマーの予想を知ってから「絶対にこの問題を解いてやろう」と思ったそうです。挫折しながらもその夢を叶えたことは素晴らしいと思いました。その証明のあちこちで、多数の日本人数学者の業績が用いられているのも、興味深い。
 この本は、難しい数式などは出てきません。数学が苦手な人でも手軽に読めると思います。興味のある人は読んでみてください。



書名:『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』
著者名:今泉 忠明 監修  

内 容
 私たち生物がこの地球で生きていくために行ってきた『進化』についての一冊です。皆さんが今、この文章を読むときに使っている目や、本を1ペ ージずつめくるときに使う手も、私たちの祖先が 何億年もかけて進化してきた結果です。人間以外の生物でも、犬の嗅覚や聴覚、キリンの首や象の鼻など、各々が生きていくために進化して特別な器官や能力を持つようなりました。でも、中には「どうしてこうなってしまったの?」と、突っ込みを入れたくなってしまうような進化を遂げてしまった生物も存在します。そんな『ざんねん』で愛らしい生物がたくさん紹介されている本です。
 「続ざんねんないきもの事典」や「続々ざんねんないきもの事典」など               
続編も多く発売されています。
                                                                                 │
先生からの一言
 この数年、ちゃんとした本を読んでいなかったので、どんな本を紹介するかとても悩みました。どうせなら生物に興味を持ってもらいたいなと思い、この本を紹介することにしました。皆さんが知っている『進化』とはどんなものでしょうか。有名なものはポケモンなどのゲームでしょうか。進化をすることでどんどん強くなったり、かっこよくなったりしていきませんか。この本では、そんなかっこいい・・・ではなく、とても『ざんねん』な進化をしてきた生物を紹介しています。一例を挙げると、カカポという種類の鳥は100万年もの長い間、周囲に天敵が存在しなかったため、逃げるための羽が必要なくなり、長い年月をかけて飛ぶための筋肉を退化させ、代わりに脂肪を蓄えるという『進化』が行われました。しかし最近になって、天敵であるネコやオコジョが近くに現れるようになり、羽が無くなったカカポは逃げられなくなってしまいました。走って逃げたくても脂肪が重くてうずくまることしかできずに襲われてしまい、今や絶滅の危機に瀕しています。そんな残念でどこか憎めない生物たちに興味が湧いた人は、先生が持っていますので、声を掛けてください。



書名:『赤と青とエスキース』(PHP研究所)
著者名:青山美智子

内 容
  『木曜日にはココアを』『猫のお告げは樹の下で』『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』『お探し物は図書室まで』『月曜日の抹茶カフェ』……2017年のデビュー以来、暖かくて優しい、不思議なお話を発表してきた青山美智子さん。上記6冊の著作は境高図書館で所蔵しているので、すでに何冊か読んでいる人もいるかもしれないですね。今回の新作は「連作短編」のスタイルこそ同じですが、既出の作品とはひと味違った1冊で、読んだことのある人ほど、一読して驚かれるかもしれないです。1枚のエスキース(下絵のこと。本番を描く前に、構図を取るデッサンみたいなもの)を巡り、人々が織り成す物語が見事に繋がっていて……ああ、もっと言葉を尽くしてこの作品の素晴らしさを力説したいですが、何を書いてもネタバレしてしまいそうなので、これぐらいにしておきますね。とにかくいい意味で著者・青山さんの「企み」は大成功、「二度読み必至!」(伏線てんこ盛り)の傑作です。
                                                                                 │
先生からの一言
 新型コロナウイルスがらみの出来事やニュースが日常に「蔓延」していて、なんとなく先の見えない息苦しい日々の連続に、ほっこりと心と身体を癒やす時間があれば、きっと気分転換になるはず……と、癒やし効果のある本を紹介したいと思いました。矢崎存美さんの「ぶたぶたシリーズ」や前述の青山さんの既刊6作、瀬尾まいこさん、椰月美智子さん、彩瀬まるさんはどうかな……それとも、私たちの周りにあるジェンダーや貧困や進路等の問題を扱った谷原秋桜子/愛川晶著『教え子殺し-倉西美波最後の事件』とか天祢涼著『希望が死んだ夜に』とか浅倉秋成著『六人の嘘つきな大学生』とかもいいな……いや、いっそのこと小説じゃなくて、「癒やし」でもなくて、国内の諸問題を棚上げしたり「自己責任」論にすりかえてばかりいる、「仕事をしない」政府なんかアテにしない(国に頼らない)前向きな生き方を模索・提案する、松村圭一郎著『くらしのアナキズム』とか紹介してもいいかな……など、あちこち迷ってしまいましたが、原点に立ち返って『赤と青とエスキース』をオススメしたいと思います。天使も悪魔も神様も不思議な存在や特殊能力を持った動物も出てきませんし、異世界や異空間にとぶこともないですが、人の「縁=結びつき」などいろいろ考えさせられる(伏線たっぷりの)お話です。 (*ここに登場する書籍は、ほぼ全部境高図書館に所蔵されています)


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ふみごよみ 令和3年度第2号(令和3年11月発行)

3年生と2年生の先生方から紹介していただいた「おすすめ本」



書 名:『ガウディ完全ガイド』
著者名:オーローラ・クイート&クリスティーナ・モンテス
     西村陸雄 翻訳・監修
内 容
「サグラダ・ファミリア大聖堂」の建築で有名なガウディの作品写真と彼の物語を堪能できる一冊です。彼の建築スタイルの特徴は、自然や動植物をモチーフとした造形と、色鮮やかで芸術的な装飾です。美しく、しかも独創的な発想が一体どこから来るのかについて思いを巡らせてみると、彼の残している言葉と彼自身の生涯から想像されることはとても豊かです。実際にスペインのバルセロナを訪れることの他に、ガウディを楽しもうとするのにおすすめの一冊です。
 感動した気持ちが形となって再現される、そんな素晴らしさをぜひ写真と言葉と共に味わってみてください。

先生からの一言                      
 私はガウディの「世の中に新しい創造などない。あるのはただ発見である。」という言葉が好きです。生き物や草花を愛し、それらに対して表現できる最も謙虚な言葉の一つではないでしょうか。自然界に存在する美しさに感動する気持ちには、私もとても共感します。私自身も一番好きな曲線はカテナリー曲線です。いつかガウディ建築のような家に暮らしてみたいなぁと、想像力を膨らませながら楽しんでいます。
 


書 名:『こどもSDGs』 "なぜSDGsが必要なのかがわかる本" 
著者名:バウンド

内 容  「このままでは地球があぶない!
      未来のために考えるべきこと」
 未来を担うこどもたちに対し、SDGsと世界が直面する解決すべき問題、そして私たちの生活との関連をわかりやすく解説しています。
 SDGs(エスディージーズ)とは…
 国連が決めた2030年までに世界の人々が達成しなければならない目標のことです。この目標に無関係な人は地球上に1人していません。なぜSDGsを達成しなければいけないのか。その答えは「このままでは未来の地球は立ち行かないほどの危ない状態」だからです。
 
 本書では、未来を担うこどもたちに対し、SDGsと世界が直面する解決すべき問題、そして私たちの生活との関連をわかりやすく解説しています。専門的な言葉もやさしく説明しているので、大人にもわかりやすい内容になっています。これからの世界を引っ張っていく今のこどもたちが将来的に理想の世界で暮らせるようにするためには、今からさまざまな問題について考え、周りの人たちと話し合い、取り組んでいくことが大切です。それが大人になったときにより良い未来をつくることに繋がるのです。

先生からの一言
 日々のニュースや町中でSDGsという言葉を目にする機会が増えてきました。みなさんの中にも聞いたことがある人が多いと思います。企業に勤めている友人は連日SDGsの研修を受けていると言っていました。それだけ注目度が高いので、なんとなくではなく詳しく知りたいと思いこの本を手に取りました。この本ではあらためてSDGsとはなにか、SDGsが掲げている目標と、自分たちができるSDGsを非常にわかりやすく説明しています。タイトルに「こども」と付いているだけありシンプルで読みやすい文章になっています。私が一番興味を持ったのは「児童労働」についてです。みなさんは当たり前のように学校に行き勉強することができていますが、世界では児童労働するこどもの数は約1億5千万人いるそうです。私たちが簡単に手に入れる製品がどこか遠い国の子どもたちが不当な労働をして造られている可能性があると知り、どきりとしました。これからは買い物をするときに、その製品がどのように生産されているのか、どのように自分の手に来たのかを意識して、未来につながる製品を選んで行こうと思えました。このようにSDGsを自分ごととして考えられるようになるので是非手に取ってみてください。境高図書館で借りられます。



書 名:『スーパーカブ』
著者名:トネ・コーケン 

内 容
 山梨の高校に通う女子高生の話です。両親も友達も趣味もない、何もない日々を送る彼女は、中古のスーパーカブを手に入れます。初めてのバイク通学。ガス欠。寄り道。それだけのことでちょっと冒険をした気分。少しの変化に満足する主人公ですが、同級生の女の子に話しかけられます。「わたしもバイクで通学してるんだ。見る?」
 1958年に最初に発売されたスーパーカブとそれに乗る女の子達が主人公の物語です。

先生からの一言
 「本の紹介」ということで、何について書こうかと迷いました。今年は図書部長という図書館担当となり、今まで以上に本を読んでいます。全然読まない週もありますが、毎週1冊を目標に読んでいます。
 『スーパーカブ』はアニメにもなった作品です。実は、僕はオートバイが大好きで、初めて乗ったバイクが父親の「スーパーカブ(65cc)」でした。現在も、「リトルカブ」というバイクに乗っています。発売以来63年というロングセラーのスーパーカブに乗る人たちを「カブ主(ぬし)」といいます。「カブ主」の一人として、この本を読んでみました。
 主人公は部活もやってなく、友人もなく、趣味のようなものもない女子高生です。両親もいない設定で、一人暮らしをしながら高校に通っています。山梨県の坂道を自転車通学しているのですが、あるとき1万円で中古のスーパーカブを購入します。カブに乗る友人もできて生活に変化が生まれてきます。カブを整備したり、カブを使ってアルバイトをしたり、ツーリングにも行ったりします。
 僕も高校の時は部活動をやってなくて、オートバイに乗ることが趣味でした。エンジンをばらして組み直したり、テントを持ってツーリングに行ったりと、オートバイを通して何かを主張したかったのかもしれません。だから、主人公がバイクを通して経験することが、おじさんの僕にも共感できるのです。山梨県が舞台になっていることも、共感できる理由でした。主人公が走る道は、高校生、大学生の頃、僕自身もよく走った道です。またツーリングに行きたくなります。大学生になる続編もあるようで、機会があったら、いずれ読んでみます。
 「ライトノベル(ラノベ)」というジャンルの小説を読んだのはこれが初めてでした。 「ライトノベル」の特徴は、① 文体が読みやすい ②かわいいイラスト(萌え絵)を多用している ③タイトルが長い作品が多い 
※【ライトノベルとは何か】ラノベ読者になるための学びの知恵袋(www.mottainaihonpo.com
とのことです。読書離れしている高校生も、本を読むきっかけになると思います。図書館には、「ラノベ」コーナーもあります。



書 名:食べようびMOOK ゆる自炊BOOK
著者名:オレンジページ(オレンジページブックス)

内 容
 新生活などをきっかけに自炊を始めたいと思っている人に捧ぐ、気張らずに作れるメニューだらけの料理本。全編プロセスカットつきだから、レシピを読まずに「見て」作ることができます。「料理ってこんなに簡単にできるんだ」って思えるはずですよ。
 本書の一番最初に載っているレシピが「豚肉と小松菜のうましょうゆ炒め」。「炒める」の項目で載っているにも関わらず、テレビで見るようなフライパンを振ったり中身を激しくかき混ぜたりするような工程は不要。食材をフライパンに乗せて火にかけて放置すれば、一品できてしまいます。
 鍋がなくてもフライパンや電子レンジで「煮る」、まるごとお肉を焦がさずジューシーに、フライが食べたいならば油で揚げずにトースターで揚げ「焼く」など、気負わずに簡単においしく料理が作れるレシピがたくさん載っています。他、食材をおいしく長く保存する方法や、台所周りの整理整頓のしかたなど、一人暮らしの食生活に役立つコラムも満載です。

先生からの一言
 それまでほとんど台所に立ったことがなく、きちんと料理をするのは高校の調理実習や夏休みの宿題以来ゼロ、得意料理はカップ麺だと言ってはばからなかった少女時代。そのくせ母の作る料理がおいしいせいで舌ばかりが肥えて、毎日の食事はおいしくなければ気が済まない。そんな私が一人暮らしをするにあたって、充実した一人暮らしご飯のために一番最初に買ったレシピ本の一つがこちらの本でした。
 新鮮な食材を揃えて、目分量ではなくきちんと調味料を計って、なにより自分一人で作った料理のおいしさを教えてくれました。本に載っている写真のような見栄えにはならないかもしれないけれど、その経験は私の大切な財産になりました。そして学校で先生方に教えてもらったこと……文章を読むための国語や英語、買い物や計量のための数学、調味料を混ぜる工程はさながら理科の実験、外国料理から社会科で学んだ歴史に思いをはせ、何よりも包丁で手を切らない体の使い方を教わった、家庭科を始めとする実技教科……学校で学んだことは、生きていく上で何一つとして無駄にはならない、などと思ったりしたものです。
 自分は料理が得意ではない……と思っている生徒も、鶏肉を焦がさずきれいに焼くことができるだけで、大きな自信になるはずです。ゆくゆくは一人暮らしを考えている生徒や、休日に料理に挑戦してみたいと思っている生徒は、是非手に取ってみてください。

ふみごよみ

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ふみごよみ 6月号(令和3年6月発行)

読書の世界にいざない、境高生と図書館とを結ぶ架け橋になりたい。


 いつの間にか関東地方も梅雨入り。「夏(げ)至(し)」も過ぎ、今日は「夏越の祓(なごしのはらえ)」。2回目の定期テストも終了し、新型コロナ(ワクチン接種も含む)やオリンピックの行方は気になりますが、いよいよ本格的な夏の到来ですね。自分自身の「これから」についても、いろいろ思いを巡らしてみましょう!


夏越の祓
 年末の「年越の大祓」とあわせ「犯した罪と穢れを除く」宮廷の儀式として始まり、やがて民間にも広まりました。応仁の乱以後長く中断、約400年後の明治に復活、今年もコロナ禍の払拭を願って全国の神社で6月30日を中心に実施されます。この日は「茅(ち)の輪くぐり」をして(茅(かや)を編んだ直径数メートルの輪をくぐって)参拝します。
 この時期、京都では「水無月(みなづき)」というお菓子を食べる風習があり、少しずつ全国に拡大中ですが、これも「恵(え)方(ほう)巻(まき)」並みに広まるかな?


和菓子つながりで、境高図書館にはこんな本もあります。

『和菓子のアン』坂木司著(光文社)       
デパ地下の和菓子屋でアルバイトを始めた18歳の梅本杏(あん)子(こ)と彼女を取り巻く人々とが織りなす物語。謎を解くうちに、いつの間にか和菓子の魅力のトリコになっているかも。 (913 サ)

『和菓子迷宮をぐるぐると』太田忠司著(ポプラ社)       
 こちらは餡(あん)子(こ)嫌いの理系の大学院生が、なぜか和菓子の魅力にハマるお話です。


今日(30日)は廉太郎忌です。
 「花」や「荒城の月」の作曲者・滝廉太郎が118年前に23歳10か月の短い生涯を閉じた日(1879-1903)。 彼の青春時代を生き生きと描いた小説が谷津矢車著『廉太郎ノオト』(谷津矢車著、中央公論新社)です。 課題図書に選ばれ、何度も入試問題に取り上げられています。(913 ヤ)
 は~るの、うら~ら~の、す~み~だ~が~わ~♪  は~る~こ~ろ~の~、は~な~の~え~ん♪ 知ってる?


★★★ 図書館、最近利用してますか? 新年度、ずいぶん明るく利用しやすくなったんじゃないかな。 リニューアルし続ける図書館を、どうぞみなさんも見に来てくださいね! ★★★ 


教育実習生からのメッセージ


 私がおすすめしたい本は『人は話し方が9割』です。この本をおすすめする理由としては、私が人と話すことが好きということ。加えて社会にこれから出ていく人間として、自分のコミュニケーション能力をさらに高めていきたいと思って読み始めました。この本は友人や家族などの身近な人とのコミュニケーションも円滑にする方法が書かれていたので、コミュニケーションを取るのが苦手な人にも是非手に取ってもらいたい1冊なので読んでみて下さい。(永松 茂久著)(361.45 ナ)

『逆境を越えてゆく者へ ~爪先立ちで明日を考える~』(新渡戸稲造著)近日配架!
 生きていれば誰にでも少なからず苦労があります。失敗したり、人を羨んだりすることもあると思います。うまくいかない時、逆境に陥った時に大切なのは、一歩下がって爪先立ちで考えてみること、そして順境に到達するまで、「もう少し、あともう少し」と思い続けて進むことです。そうすることで、負のスパイラルもいつかは抜け出すことができます。私はこの本からそれを学びました。
 今、悩みや苦しみを抱いている人、また、そうでない人も、一生懸命になる楽しさを忘れず、頑張ってほしいと思います。私ももちろん、頑張ります!!

 私は、本を読むのが遅く苦手です。高校生の時より大学生になった今のほうが、本を読むことが多くなりました。何の為に本を読むのかというと、知識をつけるために読みます。美術大学では、作品を作る上で作品のコンセプトに説得力をもたせる為に、先人達はどう考えたかをリサーチし自分の興味ある分野の本を読んだり、教授からお勧めされた本を読むこともありました。本を読んで思うのは、知らない知識を知れて楽しいということです。本を読むのが苦手な方は、まず興味が持てそうな分野の本から読んでみてはいかがでしょうか。

「活字に接するということ」
 まず、「読書」という行為は、「活字に接する」ことを意味します。生徒の皆さんは、日常生活を送る上でそのくらい活字に接しているでしょうか。読書から得られるものは何も知識だけではなく、生徒の皆さんにも直接関わってくる「国語力」を身に着けられます。例として、高校における「現代文」の読解や、大学においては教科書・論文等から読み取り、レポートを書くという力が求められます。このような観点からも、読書をしてみてはいかがでしょうか。

 私のおすすめの本は、『花束みたいな恋をした』です。一見読み進めると、純愛物語なのですが、深く見ると、人の価値観の違いによる幸せというものはなんなのかとすごく考えさせられて、自分の考え方にも多少の影響を与えられた本です。 本は、 視点を変えて読むことにより色々な世界観が見えてくると思うので、感性豊かになるためにはもってこいだと思います。(坂元 裕二原作/黒住  光著)近日配架!


 

 

図書館報

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図書館報(令和3年3月発行)

 

「本と出会う」教頭 日向 久

 今年は、コロナ禍のためステイホームで過ごす時間が圧倒的に多かったのではないでしょうか。皆さんは、その時間を何に費やしましたか。宿題、課題、オンライン授業に追われ、意外と自分の好きなことに向ける時間は少なかったのでしょうか。そんなことはなく、ひたすらゲームに熱中、録り溜めておいたドラマを全編見通す、DVDを借り映画を見続ける、Youtubeで新しい音楽を探し続ける、「鬼滅の刃」「キングダム」「進撃の巨人」を全巻読破する・・・。臨時休業はあっという間に過ぎていきました。

 本を読むというのは、なぜかハードルが高く、ステイホーム時の過ごし方としては、決して気軽なものではないかもしれません。でも、好きな漫画やゲームがあるように、読みたい本もきっとあるはずです。少し勇気を出して、そんな本に一歩踏み込んでみてください。そこには漫画やゲームでは知り得なかった世界が、無限に広がっています。もしかしたら、ある本との出会いが、自分の生き方に自省を促し、将来の夢を決定づけてしまうかもしれません。

 私自身が、本当の意味で本に出会ったのは高校時代です。中学と高校と学習の難易の差に愕然とし、行き帰りの電車の中、教科書や参考書とにらめっこの日々があまりに無味乾燥で、嫌気がさしていた頃、同級生の一人は、参考書などには目もくれず、ひたすら文庫本を読み漁っていました。憧れと嫉妬が交錯する気持ちで彼の姿を遠くから眺めていましたが、ひょんなことから言葉を交わすようになり、彼を導き手に、色々な本をむさぼり読むようになりました。授業日が終わり(当時は土曜日の午前中まで授業がありました)、週末の楽しみはと言えば、土曜の午後に町にあった大きな書店に足を運び、読みたい文庫本を選んで、帰りの電車の中、家に帰ってからのほとんどの時間をその文庫本に費やすことでした。芥川龍之介、坂口安吾、三島由紀夫、辻邦夫、ドストエフスキー、カミュ、ニーチェ、フローベール・・・といったように、明らかに偏った読書体験でしたが、今でもその興奮は胸の中に確かに残っています。その感動が忘れられず、将来の職業に何の足しにもならないと敬遠されていた文学部に入り、そこで学んだことが幾らかでも繋がると考え、気付いた時には教職の道に進んでいました。

 以下、ここ1年の間に読んで印象に残った本を2冊紹介します。相変わらず時流を無視した趣味の本であることを予め断っておきます。



意味がなければスイングはない(村上春樹)

 音楽を文章にするのは難しい。音楽はそもそも理性の賜物である言葉を拒絶する性格を持っているからである。

 この本は、村上春樹による音楽エッセー集というべきものである。村上春樹の熱心な読者とは言えない自分が(一番最近読んだのは「スプートニクの恋人」だったと思う、「海辺のカフカ」も「1Q84」も読んでいない)、彼の本を推薦するのも変な話だが、このエッセー集は間違いなく面白い。まず、何と言ってもこの本を読んでいると、そこで取り上げている音楽が聴きたくなる。例えば、ブライアン・ウィルソン(ビーチボーイズのリーダー)の項目で書かれているのは、あの有名な「ペットサウンズ」ではない。ブライアンが極度の神経症から創作意欲を失い、深い霧の中を彷徨っていた時代に作られた「サンフラワー」と「サーフズアップ」の2枚のアルバムである。ブライアンが病気によってバンド内での存在価値が相対的に下がる中で、演奏要員、コーラス要員とでしか役割を果たさなかった他のメンバーが、その隠された能力を発揮し、ブライアンのいなくなったバンドを奇跡的に再生させる。「ペットサウンズ」と「スマイル(伝説的な未完成最高傑作)」以外に聴くべきアルバムは無いと思っていた自分には、アナザーサイド・オブ・ビーチボーイズと言える程、素晴らしい音楽との出会いとなった。

 村上春樹が取り上げた全てのアーティストが、自分にとって全て馴染みのあるものでもなかったし,本に触発され、わざわざアマゾンで取り寄せたCDが一度聴いたきりで机の上に置きっ放しにされたものもある。でも、彼がその音楽を心から愛し、その音楽に拠ってこれまで生きてきたことがよくわかる。「音楽は素晴らしい」そのことを改めて感じさせてくれる本である。

学生との対話(小林秀雄)

 小林秀雄の本をまともに読んだのは、十何年ぶりであったろう。学生時代、もしくは社会人になってからも、小林秀雄は似非インテリたちの知的シンボルであり続けた。「様々なる意匠」「モーツアルト」「近代絵画」・・・どれだけ理解したのかはわからないが、彼の文章を読むだけで知的緩衝地帯に逃げ込むことができた。「花の美しさなどというものはない、美しい花があるだけだ」そんな言葉が、今でも自分の脳裏に刻み込まれている。

 この本は、彼が昭和36年から53年の間、5回に渡って行われた講演と、その後に続いた学生たちとの対話の記録である。学生たちと対話する小林の何と生き生きしていることか。熱気が立ちこめる中で、彼は、学生たちのどんな質問も正面から受け止め、真摯に答えようとする。そしていつもながら、その言葉は何故か我々を鼓舞する。時には挑発しかねない。「日本語には<心眼>という面白い言葉がある。歴史は、諸君の肉眼なんかで見えるものじゃない、心眼で見るんだよ。生物学がいう目の構造など、抽象的に過ぎる。ベルグソンは、人間は眼があるから見えるのではない、眼があるにも関わらず見えるのだと言っている。僕の肉眼は、僕の心眼の邪魔をしているのだ。そして心眼が優れている人は、物の裏側まで見えるんだ。」彼の言葉は、生きている。


 毎日毎日、コロナ禍で、日常生活の細部にまで監視の目が入り、何となく窮屈な生活を強いられている気がします。行きたいところにも行けず、会いたい人にも会えず、これまで当たり前であったことが決して当たり前ではなく、我々の自由がどんどん制約されています。物理的な規制がどんなに厳しくなろうと、読書は、我々の想像力を刺激し、思考を鍛え、精神の自由を保障してくれます。読まなければならない本ではなく、傍にあるお気に入りの本を手に取って、忍耐強く読み進めてください。きっとそこには未知の新しい世界が広がっています。本は、君たちとの出会いを待っています。



令和2年度 境高 人気の本

第1位 「流浪の月」 凪良ゆう 著
第2位 「FACTFULLNESS」 ハンス・ロスリング 著
第3位 「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」 プレイディみかこ 著
    「プラチナデータ」 東野圭吾 著
    「逃亡者」 中村文則 著
    「火花」 又吉直樹 著
    「君の膵臓を食べたい」 住野よる 著
    『か「」く「」し「」ご「」と』 住野よる 著

図書委員会では、「ふみごよみ」を3回発行しました。

 ●ふみごよみ第1号(9月発行) 2学年先生のめ本特集

 ●ふみごよみ第2号(11月発行) 1学年先生のおすすめ本特集

 ●ふみごよみ第3号(1月発行) 教育実習生すすめ本特集

 おすすめの本の紹介をしていただいた先生方、ご協力ありがとうございました。


図書館この1年

 <入学おめでとう>

 <コロナに負けるな みんなで頑張れ!!>

 <6月8日 通常授業再開>

 <図書館もコロナ対策>

 <七夕>6/25(木)~7/1(水)「212」の願い事が飾られました。

 <読書の秋>

 <小論文対策>

 <クリスマス>

 <お正月>

 <本屋大賞>

 <芥川賞・直木賞>


「本の魅力について」齋藤 起輝


 時々、生徒から「読書は何のためにするんですか?」という質問をされることがあります。私は、この質問にうまく答える事ができたことがありません。私は読書にあまり意味を求めたことがなく、ただなんとなく読みたい気分だから読むことがほとんどだからです。確かに、読書をすることで新たな知識が身につくことはあります。しかし、それは結果としてであり、私が読書に純粋な楽しみを求めていると感じます。

 そこで私は「なぜ自分は読書をしたくなるのか?」ということを考えてみました。その結果、どうやら私は、言葉そのものの魅力に惹き付けられているのだということに気がついたので、そのことを今回は簡単に述べてみたいと思います。

 「ライオン」という言葉を見たとき、皆さんは大きなたてがみと鋭い牙をもった雄々しい動物の姿を、頭の中に思い浮かべるのではないかと思います。しかし、今この文章を読んでいる皆さんの目の前に、本物の「ライオン」はいませんよね(動物園で読んでいる人がいたら話は別ですが……)。つまり今、皆さんは言葉によって、目の前にないものを頭の中に生み出すことができたわけです。このような力を、ここでは言葉の創造力と呼びたいと思います。そして、これこそが言葉の魅力であり、これに私は惹き付けられるのです。

 小説や詩などを読んでいると、この力の使い方がとても上手だなと感心することがあります。例えば、太宰治の『走れメロス』は、紀元前のギリシャ時代、イタリア南部のシチリア島にある都市が舞台と言われています。当然ですが、紀元前(約2000年前)のイタリアに行き、その目で当時の風景を見た人はいません。しかし、あの文章を読んでいると、暴君によって活気を失った冷たい石造りの町並みや、女性の結婚を村全体でお祝いする緑豊かな農村の風景などが、次々と頭の中に浮かび上がってきます。言葉は、たとえそれが何千年前の外国の風景であっても、私達の頭の中で創造してしまうのです。また、この風景は作品中で変化するメロスの感情と重なり、情景描写として、私達とメロスとを繋いでいます。すなわち、言葉はものだけでなく、目に見えない他人の感情すらも生み出すのです。

 先日、SNSを眺めていたら、ある二枚のイラストに目を引かれました。それは二枚一組の作品で、二〇一九年度の準朝日広告賞に選ばれていました。一枚目には人がごった返す満員電車が、天井から俯瞰した構図で描かれています。一方、二枚目には星がきらめき、彗星やUFOなどが飛び交う中、宇宙で読書をする一人の人間が描かれています。そして、一枚目をよく見てみると、満員電車の中に、二枚目と全く同じポーズで読書をする人を見つけることができます。題名は「電車で読書って楽しいね」です。

 たくさんの知識をつけることが必要とされている世の中ですが、ただ純粋に読書を楽しんでいるという人は意外と多いのかもしれません。



令和2年度 図書委員会の活動

 今年は、新型コロナ感染拡大の影響で2つの研修会が中止になってしまいました。例年、県西地区生徒生徒図書委員研修会(夏休み前後実施)では、各学校の図書委員会の活動報告やビブリオバトルが、そして、生徒図書委員中央研修会(12月10日前後実施)では、読書感想文の茨城県上位者の発表、各分科会、ビブリオバトル決勝が行われます。毎回、参加した生徒は、読書感想文の発表やビブリオバトル決勝を直接目の当たりにし、「とても感動し、よい刺激を受けた」と言って帰ってきます。毎年この『図書館報』でも、参加生徒の報告を兼ねた感想を記載してきましたが、今年は割愛することになってしまいまし
た。来年度こそは、いつも通りの研修会が行われることを願っています。

 ところで。みなさんは「ビブリオバトル」を知っていますか最近では、筑波大学情報学群知識情報・図書館学類の推薦入試で「ビブリオバトル」方式の面接が導入され話題になりました。皆さんもビブリオバトルに参加してみてはいかがですか?

 ※「ビブリオバトル」とは?
 各自、お気に入りの本を持ち寄り、制限時間内(5分)でその本の面白さをアドリブを交え紹介。発言者同士で少しの時間(2~3分)話し合った後、読みたい本を投票し、最多数のチャンプ本を決定するという書評合戦です。


図書委員会 委員長(3年)

 私は、高校二年生、三年生の二年間、図書委員会に所属し、三年生では図書委員長として活動しました。学校内での図書委員の主な活動は、昼休みと放課後の本の貸出と返却、先生方のおすすめ本を紹介する「ふみごよみ」の発行などです。また、例年図書委員会で参加してきた校内発表会は、今年は残念ながら新型コロナウィルスで見送りとなってしまったので、来年の蛍雪祭では後輩の図書委員に頑張ってもらいたいと思っています。

 さらに、今年は中止になってしまいましたが、本来なら校外での活動もあり、県民文化センターで行われる生徒図書委員中央研修会や、県西地区生徒図書委員研修会(今年度は古河中等教育学校の予定でした)などがあります。

 私は二年生の時に、その生徒図書委員中央研修会に参加し、他校の生徒の読書感想文を聞いたり、しおり作りなどの色々な活動を通して交流を深めました。その中でも読書感想文発表では、様々な視点からの感想を聞くことができ、普段自分からは手に取らないようなジャンルの本に興味を持つ良い機会になりました。

 図書室には約二万七千冊もの本が置いてあり、普段あまり本を読まない人でも自分に合った本を見つけることができるので、是非図書室に足を運んでみて下さい。


放送委員会 委員長(3年)

 今年の放送委員会の主な仕事内容は、クラスマッチでの放送機器の準備や後片付けでした。今年は,開催年ではありませんでしたが、隔年開催の蛍雪祭では落とし物の放送や、催し物の紹介などを、放送委員が分担して活動します。例年、校内発表会や入学式などの放送準備や夏休み始めに行われる学校説明会での案内放送の仕事がありますが、今年はコロナウィルスの影響で中止になってしまいました。

 私は三年間、放送委員として活動してきましたが、過去の二年間では実際にアナウンスをするなどしてとてもやりがいを感じました。また、学校行事では裏方の仕事が多く、陰で行事のサポートができることに喜びを感じました。

 最後に、これを読んで放送委員の仕事を知っていただければ、うれしく思います。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

編集後記

 今年度の図書館は例年通り、新入生オリエンテーションでの図書館利用の説明で始まりました。しかし、まもなく、約二ヶ月の休校となり、閑散とした図書館になってしまいました。来年度こそは、新型コロナが収束し、図書委員会の活動を通常通り行い、一人でも多くの人が図書館に来ることを願っています。

図書委員会
ふみごよみ

(ふみごよみ)

ふみごよみ 第3号(令和3年1月発行)



 教育実習生の先生方からも紹介していただきました。
 ①学生時代の本にまつわるエピソード
 ②境高生におすすめしたい本

 


①学生時代の本にまつわるエピソード
・私は高校生のころはあまり本を読んでいませんでした。より正確に言うならば、ライトノベルばかりに手を出し、一般的な小説を読んでいませんでした。それでも、現代文の教科書は休み時間によく読んでいたので、文章を読むことに抵抗があった人間というわけでもありませんでした。本格的に本を読み始めたのは大学生になってからです。本が好きな友人ができてから、徐々に本を読み始めるようになりました。

②境高生におすすめしたい本
・私が紹介するのは、米原万里さんの『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』です。私にとって、これが初めてのノンフィクション小説でした。プラハのソヴィエト学校で同じ時間を過ごした旧友を、冷戦終結後に会いに行くといった内容です。子どものころには見えてこなかった真実が、そこで明らかになっていきます。思想や愛国心、共産主義と経済の矛盾などがリアルに語られています。


①学生時代の本にまつわるエピソード
・みなさん読書は好きですか?僕は好きです。しかし、高校時代からそうであったかというとそうではありません。僕は高校時代毎日野球をやって授業を受けて野球をやって寝るということの繰り返しでした。大学生になり、最初は読書に興味はありませんでした。たまたま友人の誘いもあり一冊の本を読みました。それがきっかけで好きになりました。一つのきっかけで今は月に2.3冊読むようになりました。漫画であっても雑誌であっても何かきっかけを見つけることができると読書を好きになることができると思います。また、読書をすることで新たな世界観や価値観を養うことにも繋がります。みなさんも本屋さんに行った時には気になった表紙や本屋大賞などきっかけを見つけて読書をしてみてください。

②境高生におすすめしたい本
・「たった2分で、やる気を上げる本。ー千田琢哉」
勉強、部活、やるべきこと、などなどやらなくてはならないと分かっていてもなかなか手がつかない。やる気が起きない。そんな時ってありませんか?もちろんそこで勇気ややる気を振り絞って、やることは大切です。しかし、どんなに気力を振り絞ってやったとしても、集中できないことがあります。そんな時には是非この本を手に取ってみてください。少し読んだだけでもやる気がでます。もちろん、全部読み終わる頃にはきっと気力がみなぎって、どんなタスクにも立ち向かうことができるでしょう。自分もこの本を愛読書の一冊として読むことがあります。何をやっても集中力が続かない。やる気が起きない。そんな人この本必見です。この記事を最後まで読んでくれただけで既に何分か前の自分より集中力は上がっています。是非読んで、たくさんの人におすすめしてください。
MOTIVATION IN JUST 2 MINUTES


①学生時代の本にまつわるエピソード
・私が高校生の頃は、本をほとんど読んでいませんでした。部活動を引退した後も本を読むことはあまりなく、本を読むようになったのは、大学生になってからでした。大学生になり、本を読むようになったきっかけは、調べものをする時に、ネットだと履歴が残りますが、時間が立つと履歴が見えなくなってしまい、同じ事を調べるのに手間になってしまうと感じたからです。また、本で調べると、調べたいものの他にも関連する事を知ることができます。大学生になり読んだ本の中で、皆さんに知識として役立ちそうな本を紹介したいと思います。

②境高生におすすめしたい本
・私が紹介したい本は、「ツレがうつになりまして」という本です。本はそこまで分厚くなく、漫画風なので読みやすいと思います。内容は、うつ病に関するものなのですが、ストレス発散の方法や、精神面などの話の他にクスッと笑えるような話も紹介されています。ちょっと疲れてしまったなと感じたときにこの本を読んでいたら、簡単な解決方法を思いつくとこができるかもしれません。興味のある方はぜひ呼んでみてください。


①学生時代の本にまつわるエピソード
・私は、高校時代と言わず今でも活字の本を読む事が苦手で自分の好きなことしかやってきませんでした。なので、今でも漢字が苦手で変換ミスや簡単な漢字のはずなのに読めないということが多くあります。今思うと、もっと学生時代に本を読んでいれば漢字も苦手にはならずにすんだのかなと思っています。現在、大学の授業はオンライン授業が多く教授が教材を出し、それを読んでレポートにまとめ、そのレポートで成績が決まることがありました。この時に、私の友達などは約60分で終わるところを私は読解力がないので何をもとめているのかが分からず通常授業(100分)よりも時間がかかってしまいました。なので本を読むことは読解力upに繋がるので本当に大切なことだと今実感しています。

②境高生におすすめしたい本
・そんな私が、境高生におすすめしたい本は青山学院大学の駅伝部監督をしている原晋監督が書いた本です。私は、中学校の時に駅伝大会に出場したことがきっかけで、年始にやる箱根駅伝が好きになり、その中でもここ数年で何度も箱根駅伝優勝に導き、ユーモア溢れる作戦名を立てる原晋監督が見ていて面白いので好きです。そんな原晋監督が書いたこの本は、本が苦手な私でもキーワードになる事が大きく書かれていたり、一つ一つの話が短くまとめられていたりするので読みやすい本です!スポーツに関係なく一人の人間として成長することができる本だと思います。


①学生時代の本にまつわるエピソード
・私は高校生の頃、本を読むことは好きでしたが、好きな分野の本しか読むことをしてこなかったため入試対策などでかなり苦戦してしまい、毎回問題を解いた後に「あぁ、私はこんな文章も読み解く力がないのか」と辛くなってしまった時期がありました。しかしそこで諦めるのでなく、どうにかして筆者の言いたいことを理解したいと感じ始めた私は、問題集などで選出された本を実際に購入して読み始めました。今まで読んでこなかった分野の本を読むことはすごく大変でしたが、本を通しての学修姿勢が無意識の内に形成されていったと思います。皆さんも好きな作家や好きな本を読むこと以外に、新しい分野の本に挑戦し視野を広げてみてはいかがでしょうか?

②境高生におすすめしたい本
・私が紹介したい本はコルソン・ホワイトヘッド著『地下鉄道』です。この小説は19世紀アメリカの黒人奴隷社会をテーマとしたものとなっています。華やかなアメリカの歴史の裏側に存在していた黒人差別を題材としているのですが、著者が黒人であるため、私たち日本人とは異なった見方で黒人差別や人々の生活を描いています。アメリカの歴史の裏側や差別問題について興味のある方にぜひ読んでほしい一冊です。

ふみごよみ

(ふみごよみ)

ふみごよみ 第2号(令和2年11月発行)


1年生の先生方から紹介していただいた「おすすめ本」


書名:9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方
著者名:福島 文二郎


内容:
 東京ディズニーランドには毎年1500万人ものゲスト(お客さん)が訪れます。これは、世界中にあるザ・ウォルド・ランドをはじめ、他のテーマパークの中でも入園者数 世界一を誇っています。つまり、それだけゲストの「顧客満足度」が高く、リピーターも非常に多いということです。パーク内はいつもピカピカ、スタッフ全員がいつも明るく100点の笑顔でゲストを迎える、などの最高のサービスを届けているスタッフの9割が正社員ではなく、アルバイトで運営しています。不況にも負けないグランド価値を作りあげていますが、その背景には徹底したディズニーの社員教育システムがあります。素晴らしいサービスをなぜ継続的に提供できるのか?


先生からの一言:
 この本には、「夢の国」を作り上げるためのプロセスやスタッフ同士の対人関係について、日本のディズニーパークで働くスタッフのおもてなしについて書かれています。作者の福島さんは、ディズニーランドがオープンした第1期の正社員としてオリエンタルランドに入社し、実際にパークで働きスタッフの人材教育に携わりました。人が人を育て、一人一人が責任感を持ち、最高のショーをゲストに届けるサービスの継続は容易なものではありません。
 私が高校生の時、「ディズニーパークについての本で面白そう」と安易な考えで読み始めましたが、今でもよく読み返しています。この本を読んでいると、人との信頼関係の作り方や継続するためのモチベーション法を学ぶと共に、ディズニーに行った時の楽しい記憶と、そこで働くスタッフさんの気遣いや努力の素晴らしさを感じることができます。この本を読んだ後にディズニーに行くと見方や楽しみ方が変わる...かも?



書名:ハードワーク -勝つためのマインド・セッティング-
著者名:ラグビー元日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズ


内容:
 2019年日本で開催されたラグビーW杯で,国内は空前のラグビーブームが巻き起こりました。そこで日本代表が悲願のベスト8入りを果たしたことは,多くの人が認識していることだと思います。しかし,前回大会が行われた2015年にも「スポーツ史上最大の番狂わせ」と言われる試合を日本代表が繰り広げたことをご存じでしょうか。ラグビー界では強豪と言われ,2019年W杯では優勝を果たした南アフリカに勝ったのです。なぜ,そこまでメディアが騒いだのか。それは,2015年W杯が行われるまで,日本代表は世界で1勝しかしていなかったからです。しかも20年以上も前のこと。
 そんな2015年W杯に向けて日本代表を指揮した監督エディー・ジョーンズがどのようにして,弱小と言われた日本代表を世界と渡り合えるだけのチームに育て上げたのか。それは技術や戦術ではなく,人の「考え方」でした。


先生からの一言:
 「自分はどうせダメだ」と,夢や目標を諦めていませんか。そういったマイナス思考を捨てることで,成功への可能性が広がります。
 この著書は,スポーツだけに限らず,職業選択や生き方,ものの考え方のヒントがたくさん詰まっているものだと考えています。ビジネス本などでは,堅苦しくて手が届かない生徒がいれば,部活動で思い悩んでいる生徒がいれば,ぜひ読んでみてください。


書名:博士の愛した数式
著者名:小川洋子


内容:
 家政婦紹介組合から「私」が派遣された先は,80分しか記憶が持たない元数学者「博士」の家だった。こよなく数学を愛し他に全く興味を示さない博士に,「私」は少なからず困惑する。ある日「私」に10歳の息子がいることを知った博士は,幼い子供が独りぼっちで母親の帰りを待っていることを居たたまれなく思い,次の日から息子を連れてくるようにと言う。次の日連れてきた「私」の息子の頭を撫でながら,博士は彼を「ルート」と名付け,その日から3人の日々は温かさに満ちたものに変わってゆく。さまざまなトラブルを乗り越えながら月日がたつうちに,博士の記憶時間は短くなり始めてしまい,ついには・・・


先生からの一言:
 最初は第1回本屋大賞受賞作ということと「数式」というタイトルに興味を持って読みはじめました。でも,タイトルにある数式は確かに物語の中核を担いますが,それがすべてではありません。博士に対する「私」と「ルート」の誠実な友情,そして博士の純粋な好奇心と優しさは読んでいて本当に気持ちの良いものでした。
 ぜひ数学が好きな人はもちろん,数学嫌いの人も数式という言葉に物怖じせずに読んでほしい作品です。



書名:兎の眼
著者名:灰谷健次郎

内容:
 大学を出たばかりの新任教師である小谷芙美先生が受け持ったのは,学校では一言も口をきこうとしない一年生の鉄三だった。決して心を開かない鉄三に打ちのめされる先生だったが,鉄三の祖父であるバクじいさんや同僚の足立先生,そして学校の子どもたちとのふれ合いの中で,苦しみながらも鉄三と向き合おうと決意する。そして小谷先生は次第に鉄三の中に隠された可能性の豊かさに気づいていく。
 この本の中には,教育のこと以外にも,差別問題や公害のことについてふれられていて,,様々なことを考えさせられる本である。


先生からの一言:
 この『兎の眼』は,私が学生の時,文学概論の講義のはじめに教授が紹介して下さった児童文学の本である。先生は毎週,読んだ本を3~5冊必ず紹介して下さった。その中で一番心に残った本がこの兎の眼である。小学校の教師を目指している私は,心に刻んでおきたい本であった。教員採用試験の作文では,「どのような教師になりたいか」という問題で,「兎の眼」の主人公である小谷先生のように,生徒の良い所に気づいてそれを伸ばしていけるような教師というような内容を中心に書いた。
 この本の中で,一言も口をきかない,授業中何もしない,そのような鉄三の中にある才能を小谷先生が見つけ,それを伸ばしていったのだ。鉄三はなんと「ハエ」をかわいがっていて,それをきっかけに先生と鉄三がハエの研究をすることになり,今まで何もしなかった鉄三が文字が書けるようになったり,ハエの姿の精密描写をするようになり,才能が開いていったのだ。私はここが一番心に残っている。

書名:バカのものさし
著者名:養老孟司


内容:
 バカは治るのか。どんな人がバカなのか。
りこうな人はどんな人か。どうしたらりこうになれるのか。
などなど。子どもの純粋な質問に著者が答えていく。


先生からの一言:
 子どもの頃の素朴な疑問。小さな頃だからこそ思い浮かぶ「なんで...?」という気持ちがすごく伝わる本です。
 高校生になっても,大人になっても,「なんで... ?」という気持ちってすごく大切だと思いませんか?

ふみごよみ

 

(ふみごよみ)

 

ふみごよみ 第1号(令和2年10月発行)


2年生の先生方から紹介していただいた「おすすめ本」


書名:これからの「正義」の話をしよう
著者名:(著)マイケル・サンデル (訳)鬼澤 忍

内容
 「正義」といっても,アニメやゲームのような分かりやすい悪と正義の話ではない。「果たして,どうすることが正しいのか?」という答えを出しづらい問題を考えていく。
 例えば,「1人を殺せば5人助かる状況があったとき,あなたは1人を殺すか?」,「金持ちから高い税金をとって,貧しい人々に分配することは公平であるか?」など,考え方が分かれるような問題について語られている。
 なお,この作品は,ハーバード大学教授のマイケル・サンデル教授の講義を基にした作品であり,この講義は受講者が1万4千人を超す記録をつくるほど人気であった。


感想
 どちらかを選ばなくてはいけないという,モラルジレンマに直面したとき,必要であることは「考えること」。そのきっかけを与えてくれる作品である。
 高校生のみんなも,人生のどこかで経験したことがあるかと思うが,どちらが正しいのか分からなくても決断を下さなくてはならない瞬間がある。
 私が思うに,このようなときは,なんとなくで決めた決断は悪となり,しっかり考え,合理的な裏付けや根拠があれば正義となりうるのではないか。
 正義の形は人それぞれ違う。考える経験が浅い人や,受験などで集団討論を必要とする人には,一度読んでいただきたい作品である。



書名:栗原さんちのおやつの本
著者名:栗原はるみ

内容
 「食べたいときにすぐできる」とサブタイトルにあるように,材料が簡単に手に入る,計量が簡単,作り方がシンプルと簡単に作れるおやつのレシピ本です。
甘さ控えめのケーキ,クッキー,パイやタルト。軽食にもいいスコーンやピザ,ねぎもちと,気軽に失敗なく作れるものばかりを一冊にした本です。


先生からの一言
  これは購入してから25年以上経った今でも私が一番見ている本で,このレシピを参考にすることが多いです。
 「いちごのフローズンヨーグルト」や「シフォンケーキ」「自慢のスコーン」は時々つくりますが,一番数多く作っているのは「失敗なしのチーズケーキ」です。本当に簡単で美味しくできあがります。
 出版された当時(1991年),この本にある薄力粉1カップという分量や材料を混ぜるだけというレシピは珍しく,(言い方は悪いですが)その適当さで「誰にでも簡単で美味しい」お菓子が作れることは衝撃でした。『お菓子作りは本格的な道具や正確な計量・行程のコツが必要』と思っていた私のお菓子作りの考え方を変えた一冊になります。以前からケーキ作りは好きでしたが,この本に出会って,この本以外のケーキや料理も「簡単に美味しく作れる」ように,自分なりに工夫して作るようになりました。料理やお菓子の本はたくさん出版されています。スマホで作り方を見るのもいいですが,気に入った本をみつけて,使い続けていく事も意味のあることのような気がします。



書名:人騒がせな名画たち
著者名:木村泰司

内容:
 誰もが知っているような超有名な絵画を中心に、絵を読み解く知識と共に解説していきます。
以下本書の「はじめに」より抜粋
●ナポレオンが乗っていたのは白馬でなくラバ!?
●ゴッホを精神錯乱させた弟との切なすぎる事情
●ミレーが農民を描いたのは成功のための単なる「ジャンル替え」!
●バレエ鑑賞は愛人の品定め会場!
 日本では美術史と美術評論の区別があいまいなうえ、個人の勝手な感想ばかりが主流になりがちです。そのうえ、なぜか画家と作品を神聖化しがちなため、こういった「真実」にはあまり触れません。しかし、西洋絵画を本当の意味で「楽しむ」ためには、この「裏」を知らなければ始まりません。そしてその「裏」を知るには、そのための土台となる知識が必要です。つまり「絵画を読む」ための知識です。
西洋絵画は長年にわたり教義や物語、そして倫理観や思想など、さまざまなメッセージを伝えるための手段でした。そのため、伝統的に感性に訴えるよりも、理性に訴えることを重視してきました。つまり、「美術は見るものではなく読むもの」なのです。


先生からの一言:
 みなさんは絵(美術)についてどのようなイメージをもっていますか?「感じたままに自由に描く」、「観た人が何を感じるかは人それぞれ」・・・そんな風に思っていませんか?美術教育でよく聞く言葉ですが、実はこれらの考え方には大きなミスがあるわけです。
 特に西洋の絵画を見る上では、正しい知識が必要だということをこの本は教えてくれます。逆に知識無くして絵を観ることは、単語を知らずに英文を読むようなものです。それで「書かれた内容を自由に感じ取れば良いんだよ」と言われても限界があります。例えば「犬」が描かれていたらそれは「忠誠」を表している。17世紀オランダ絵画においては「笑顔」は「愚かさ」の象徴。などなど。これらを知っているのと知っていないのとでは。絵を観たときの理解度が変わってきます。
 有名な絵を中心に解説されていて、説明もわかりやすいので、意外とすらすら読めます。図書館にもあるのでまずは借りて読んでみるのも良いと思います。同じ作者で「世界のビジネスエリートが身につける教養 西洋美術史」という本もあります。ちょっと難しいですがこちらもオススメです。みなさんビジネスエリートを目指してみてはいかがでしょうか。


書名:ただ生きていく,それだけで素晴らしい
著者名:五木寛之


内容:
 人は誰しも悩みや苦しみを抱えて,人生を歩んでいます。著者が生きてきて,いろいろな出来事の中で感じ考え,違った生き方や在り方を伝えています。「生きるということは,常に苦しみとともにあります。歳を重ねれば少しは楽になるだろうと若いころには考えていましたが,残念ながらそんなことはありません。しかし,この苦しみさえ,人生の大切な瞬間だと思えるようになり,苦しみは喜びを生み,悩みは発見の母となる。どちらがいい悪いではなく,この瞬間すべてが愛おしい人生そのものなのです。」と84歳の人生の先輩が,悩みや苦しみとともに生きてきた歩みや生と死,寛容性などが沢山つまった内容です。


先生からの一言:
 コロナで生きる考え方や価値観が大きく考えさせられる生活になりました。いや,もしかしたら昔からあった本当に大切にしないといけないことに立ち返らされているのかもしれない。昔から人は老いておじいちゃんおばあちゃんになり病気などを患って必ずいつかなくなっていく。私もコロナ社会,両親の逝去を経験して,いろいろな場面での考え方が180度近く変わる生き方がでてきました。本では「あなたの価値は他者に保証されなくてもいい」「生きることに,結論も結果もない」「一つの答えを唯一の答えだと言い切らない豊かさ」などの言葉が生きる力をくれる一冊です。健康と寛容さを大切にしながら,自分の気になる本を探しに図書室へ行ってみては!



書名:レボリューションNo.3
著者名:金城一紀


内容:
 「君たち,世界を変えてみたくはないか?」オチコボレ男子高校に通い,ただなんとなく毎日を過ごしていた生徒たちは,生物教師ドクター・モローの言葉で生き返った。世界を変えるために行動をする男子高校生の話です。


先生からの一言:
 この本は,私が高校生の時に読んだ本で一番印象に残っている本です。内容は本当にくだらなくて,笑いあり,感動ありの気軽に読める本です。この本で,私が感じたことは「今」を変えたければ,「行動」あるのみ,ということです。今の状況や環境に不満がある人,自分を変えたい人,憂鬱な人は是非,試しに読んでみて下さい。

 
書名:自分の花を精いっぱい咲かせる生き方
著者名:鈴木秀子


内容:
 60年間,人々の苦悩に耳を傾け,その心に寄り添い続けてきたシスターが語る,生きる希望が生まれる25の感動実話。
 第1章 運命を受け入れる(7話)
 第2章 心の工夫(6話)
 第3章 使命を自覚する(6話)
 第4章 真の幸福に気づく(6話)
 人間学を学ぶ月刊雑誌「致知」に掲載(2009~2017年)された実話を1冊の本にまとめたもの。内容は多くの苦しみに遭いながらも,辛さ苦しみを乗り越えた人たちの体験が中心になっている。名もない市井の人の実話を取り上げ,飾らぬ言葉が読者の心に真っ直ぐ届く。副題の,すべての「鍵」は自分の中にある,ということが,25個の実話の一つひとつからそれぞれ異なったかたちで伝わ
ってくる。前を向いて生きていくための,強力な後押しをしてくれる
良書である。

 著者は,この本のおわりで,次のようなことを述べている。
 ①辛いことは恵みで,自分が成長していくためのチャンスである。心穏やかに過ごせていると  きに,このことを理解しておくと,実際に辛いことが起こったとき,それを乗り越える力にな  る。
 ②苦しみや辛いことを体験しているときに,苦しみと同時に,困難を乗り越える大きな力も神  から与えられている。


先生からの一言:
 辛さや苦しみの渦中にあるときには,「なんで自分だけが」と考えがちであるが,それが過ぎ去って振り返ったとき,あの経験があったからこそ今の自分があると思うことがある。苦難を乗り越えて,一歩前進・成長できたのである。これが著者のいう「辛さは恵み」である。
 人間学探究の一道に身を捧げてきた藤尾秀明氏は,著書「生き方のセオリー」のなかで,人生を発展させるための大事なセオリーの一つとして,「窮達は命なり 吉凶は人に由る」という言葉をあげている。人生には,予期せぬさまざまな出来事が降りかかるが,それが運命で仕方がなく受け入れるしかない。しかし,その出来事を吉とするのか凶とするのかは自分次第である。とても重みのある言葉であり,心に深く刻んでおきたい言葉である。

図書館報

(図書館報)

 

図書館報(令和2年3月発行)

 

「読書で得るもの」教頭 市川 英樹

 私の読書履歴には、自分の考え方や生き方に大きく影響するような本に出会う節目があったような気がしています。また、雑誌等に掲載され感銘を受けたパワーフレーズも併せて紹介します。

 小学生のころ、歴史に名を残す偉人の伝記本を数多く読んだ記憶があります。中学生のころには、推理小説やSFに夢中になりました。特に日本の作家では江戸川乱歩や星新一、海外の作家ではコナン・ドイル、P・K・ディック、J・P・ホーガンなどはほとんど読んだと思います。高校生になってからは、ハードボイルド(ジョン・ル・カレ、レイモンド・チャンドラー)や日本文学、海外文学など、ジャンルにこだわらずに乱読していました。新聞掲載の連載小説も数紙読んでいました。そうした傾向は大学生まで続きました。大学生までは、文字を読む(見る)ことに貪欲だった気がします。今思うと、いろいろなジャンルに触れることで、さまざまな表現や語彙を学んだのではないかと思っています。

 社会人になってからは、スキルアップにつながるようなものを読もうと心がけています。

 『本を読む本』(講談社学術文庫J・モーティマー・アドラー 著)を読んでからは、それまでの流し読みスタイルから、じっくり読み込むスタイルに変わりました。それとともに、読んだ本からなんらかの教訓や知見を見出そうとする意識が強まっていきました。

 『世界は分けてもわからない』 (講談社現代新書 福岡伸一 著)では、多角的な物事の考え方を学んだ気がしています。以下に一節紹介します。

  生物・生命を理解しようとして、部分に分けて切り取ってみても、全体との連関の中で一瞬も止まることなく動き続けている状態にこそ意味があり、そこを観なければ、生物・生命を理解することはできない。『全体は部分の総和以上の何ものかである。』(P.125)

 『マネジメント』(ダイヤモンド社 P・F・ドラッカー 著)は、人の組織が現代社会を形作る基本であることを前提に、鋭い慧眼(洞察力)でそのありようを指摘し、来たるべき未来にどのように向き合うかを示唆しています。その他の著書も読み応えがあり、読み返す度に新たな発見があります。次の一節は『プロフェッショナルの条件』という著書からの引用ですが、ひとが成長するために必要な考え方を示しています。

 「成長のための偉大な能力をもつ者はすべて、自分自身に焦点を合わせている。ある意味では自己中心的であって、世の中のことすべてを成長の糧にしている」

 『言志四録』(講談社学術文庫、岩波文庫 佐藤一斎 著)は、含蓄のある語録です。
第32条(P.28)”緊(きび)しく此の志を立てて以て之を求めば、薪を搬(はこ)び水を運ぶと雖も、亦是れ学の在る所なり。況(いわん)や書を読み理を窮(きわ)むるをや、志の立たざれば、終日読書に従事するとも、亦唯だ是れ閑事のみ。故に学を為すは志を立つるより尚(かみ)なるは莫(な)し。”     
 →立派な人になろうとの強い志を立てて、それを達成しようとするなら、薪を運び、水を運んでも学びに通じる。ましてや、書物を読み、事の道理を知ろうと、それに集中するなら、目的を達成しないほうがおかしい。だが、志が立っていなければ、終日読書しても無駄に終わることになる。だから、立派な人になるには、なによりも志を確立することが大切である。

 最後に私の好きなパワーフレーズを紹介します。Jリーガー三浦カズ選手のものです。

 「学ばない者は、人のせいにする。学びつつある者は、自分のせいにする。学ぶということを知っている者は、誰のせいにもしない」そして、「考え、悩め。でも前に出ろ」です。前向きになれる言葉です。皆さんも是非覚えておいてください。

 そして、どうすれば前に出られるか。これもサッカー関係者のパワーフレーズです。

 元日本代表監督ザッケローニは、「勇気を持って挑むこと」「思い切って挑むこと。立ち向かうこと。リスクを受け入れること。勇気とはそういうことだ。」と語っています。

 みなさんも数多くの本やパワーフレーズに触れ、それが自分の考え方や生き方の土台になることを願っています。



生徒図書委員中央研修会報告 12月11日(水)県民文化センター

(2年)

 初めての研修を経験して、私はまず驚きが八割でした。

 午前中には、代表の各高校ごとに図書委員の仕事やイベントなどの発表を聞き、自分たちの仕事の見直しや新しい工夫を知りました。そして、その後の読書感想文の発表で、私は本当に自分と同じ年、または一つ違いなのかと疑うほどの素晴らしい作文を聞きました。三名の発表者のどの文も絶対に自分だったら書けないなと圧倒されました。

 午後からの各分科会ごとの研修会で、私は本についての知識を用いたかるたに参加しました。本のあらすじ、登場人物、作者やドラマ化、映画化まで細かいところまでの知識を、「かるた」というゲーム式にされていたことで、本に対する興味や関心が深まりました。知らなかった本もあり、新しい本を知るきっかけにもなりました。

 また、ビブリオバトルという自分のおすすめの本について身振り手振り、自らの持つ話術を使って聞き手に本の魅力を伝え、本の魅力が最も伝わり、本に対する興味がどれほど湧いたかということを競うバトルでは、どの代表の方の演説もとにかくすごかったです。一つの本について誰よりも知識があり、自分なりの魅力の伝え方をすることができる。こんなに本に対して考えを深められることは本当にすごいなと思いました。

 本に対して多くの考えを生み出せる人もすごいが、そういう風に人の考えに影響を与える本そのものがすごいのかなと今回の研修会を経て思いました。


(2年)

 私は今回の生徒図書委員中央研修会を通して沢山の驚きや発見をしました。

 午前の読書感想文発表では、とても同じ年齢の方が書いたものとは思えず、終始小説の一部を聞いているかのように感じました。あんなに聞き入ってしまうような読書感想文を聞いたのは初めてだったので衝撃を受け、読書感想文などの文を書くのが苦手な私でも、こんな風に書くと相手に伝わりやすく、分かりやすいんだなと学ぶことがいくつもありました。

 午後のビブリオバトルでは、一人ひとりの本の紹介の仕方や話し方、紹介する本の系統が全く違い、言葉だけでなく体全体を使ったり、クイズ形式にしたりして聞いている人達も参加出来るように話してくれた方もいてとても楽しく面白かったです。

 また、他の学校の図書委員が日頃どのような活動をしているのかを知ることができ、境高の図書委員の活動にも何か取り入れられたらよりよい図書委員会ができるのではないかと感じました。


(1年)

 私は、12月11日の図書委員中央研修会に初めて参加させていただきました。自分が行った分科会は、読書感想画です。読書感想画とは、自分の読んでいる本のイメージをどうやって絵で具現化するのかを美術の先生からアドバイスを受けながら行うものです。今回は、背景を描きました。使うものは、キッチンペーパーやスポンジなどを使いました。それらしか使っていないのに先生が見せてくれたお手本は今にでも動きそうな絵に見えました。初めは、どこから手をつければいいか分からず迷っていました。でも本をイメージして上手く描くことができました。

 全体会で行われたビブリオバトルの決勝では、四人の高校生が自分の好きな本を面白く紹介していて自分で読んだわけではないのに沢山の内容が頭に入ってきて、思わず笑ってしまった部分もありました。そして、ビブリオバトルの決勝を見ていてとても本に興味がわきました。

 自分は普段、あまり本は読まないのですが、図書委員中央研修会へ行き、読書をすることで、もっと沢山のことを知りたいと思うようになりました。そこでこれからは、生活の中に読書する時間を増やしていきたいと思っています。



第31回 読書感想画中央コンクール入選者

 ●入選 2年 題名「虹」 『マレスケの虹』(森川成美 著)

 ●入選 2年 題名「超吉」 『南西の風やや強く』(吉野万理子 著)

 ●入選 1年 題名「中途半端」 『ジーキル博士とハイド氏』(R.L.スティーヴンソン 著)

 ●入選 1年 題名「人」 『南西の風やや強く』(吉野万理子 著)


図書委員会では、「ふみごよみ」を3回発行しました。

 ●ふみごよみ第1号(6月発行) 教育実習生のおすすめ本特集

 ●ふみごよみ第2号(10月発行) 1学年担任のおすすめ本特集

 ●ふみごよみ第3号(11月発行) 2学年担任のおすすめ本特集

 「ふみごよみ」発行に際し、おすすめの本の紹介をしていただいた先生方、ご協力ありがとうございました。


図書館ディスプレイの1年

図書委員会 蛍雪祭に参加

七夕 7/2(火)~5(金)


県西地区生徒図書委員研修会報告 8月20日(火)鬼怒商業高校

(3年)

 8月20日に鬼怒商業高校にて図書委員の研修会が行われました。
 
 まず午前の部では、各校の図書委員会活動報告を行いました。本を読んでもらうための工夫やしおり作り、LINEスタンプの作成をしている学校があり、特に校内ビブリオバトルを開催しているところもあるという点ではとても興味を持ちました。

 午後の部では、図書館にてビブリオバトルが実施されました。私は「かがみの孤城」という、2018年本屋大賞で受賞した辻村深月先生の作品について紹介させていただきました。そもそもビブリオバトルというものを初めて知り、始まるまでどのようなものなのか不安でしたが、総和工業高校の方々と練習をし、そして総和工業高校の先生から、文が素晴らしいと褒めていただき、自信を持つことができました。

 最初は四人グループで「かがみの孤城」を紹介しましたが、そのグループ内でのチャンプとなり、40人程の前で発表することになりました。私は人見知りで、人と話しをすることや人の前で何かを話すということがとても苦手で、そのような大勢の前で話しをするのはとても緊張しました。質問にうまく答えることができず、心残りはありましたが、それも含め、この研修会は私にとってとても良い経験になりました。

 同じ本について紹介していても私とは別の場面で心を動かされたり感動した方、絵本を紹介し、その絵を見て自分の考えを述べる方、そして難しそうな本について自分の特に勧めたい場面を紹介する方もいて、改めて本の面白さを感じることができました。普段本について語るということがなく、自分の好きな本についての魅力を誰かに伝えたり、また自分が知らない本にたくさん出会い、その本の魅力、他者の意見を聞くことで視野が広がり、大変身になりました。また機会があればビブリオバトルに参加してみたいと思いました。


(3年)

 一冊だけで人の心を動かす本の存在に驚いた。事実、私は今回の研修会で多くの愛読家たちと出会い、その力に触れてきた。

 ビブリオバトルにて、様々な価値観がある事を学んだ。それは紹介される本の内容からだけでなく紹介者の持つ独特の見解や考察に既読の本でも新しく感興を抱き、味読の意味を知ったからである。「君の膵臓が食べたい」について紹介していた可愛い子とも本を通し、交流を深める事ができた。

 それぞれが愛読書を持ち寄りそれについて熱心に語り合う口調には崇拝的な物が含まれていた。どこか神聖で、かつ煌めきを放つ彼らの姿に本の持つスピリチュアルを実感した。

 報告会では沢山の学校が文学散歩を実施していた。作品に因んだ地に自ら訪れる事で、気付けなかった作者の想いを見つけたり、実際の自分の体験と、活字で感じ取った、描かれた世界観との違いを含味するなどの楽しみもあり、文学好きには魅力的なイベントだと思った。それだけでなく、普段あまり読書をされない方にも興味を持っていただけるよう、アミューズメント性に富んだ要素がどの学校にも練り込まれて、本に興味を持つ良いきっかけになると思い、本校でも行ってみたい。

 本には人を惹きつける力がある。今回の研修会で語られた作者の巧みな物語や素敵な言葉選びは勿論、読書家たちの演説する堂々たる姿に心震え、読者の存在の大きさを思い知らされた。また、人によって全く同じ感想はそう無い、から面白い。だからこそ、意見の合った時には至大な喜びがこみ上げる。

 これらは、我々の人間関係においても同じ事が言えるのでは無いかと感じた。

 私は、そんな素晴らしい感動を与え、同じ想いを共有できる人と人とを引き合わせる本に魅せられたひとりであり、この研修を経てより多くの人にこの魅力を知ってほしいと思った。



放送委員会 委員長(3年)

  放送委員会の仕事内容は、クラスマッチの放送機器を本部テント内に設置することと、蛍雪祭や入学式、卒業式の放送準備をすることです。特に蛍雪祭では、落とし物の放送や、催し物紹介など、放送委員が一丸となって、活動に励みました。

 私は昨年に引き続き二年間、放送委員として活動してきましたが、今年度は放送の仕事があり、生徒がアナウンスするということで、さらに緊張感をもって仕事に取り組むことができました。とても貴重な経験となりました。

 放送委員会は、人前で話すというよりは裏方として学校行事などのサポートをするのが主なので、陰ながら皆の役に立っていることに喜びを感じました。

 最後に、放送委員はアナウンスをするだけが仕事ではなく、放送機器を設置することも私たちの仕事なので、これを読んでくださった方に、こんな仕事もあったんだなあと思っていただけると、とても嬉しいです。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。



図書委員会 委員長(3年)

 本は人だと思います。

 たくさんの出会いや嗜好の違いがあり、ある日たった一冊が人生を変える。そんな本の大切さに気づいたのはつい最近でした。

 幼い頃から読書を好んでいましたが、今まで読んできた全ての本の内容を覚えているかといったらそうではありません。読んでいる時にこそ世界観に入り浸ることはあれど、暇つぶしに読むという人も少なくないはずです。取り澄ました愛読家たちの中にはその態度を冒涜だとか言って批判する人もいます。

 しかし、心の晴れない時やノスタルジックな想いを抱いた時などにふと、台詞や場面を思い出して激励されたりそのセンチメントに彩りを加えたりと不意に浮かぶひとつひとつは私たちを素敵に、豊かにしてくれます。

 それで得た積極的な感性は私たちを強くし、自立と成長へ導いてくれる。まさに、図書委員会は私にとって本のような存在でした。 普段の活動、文化祭、研修会などで本を通じていろいろな方と助け合い、特に文化祭では新たな試みも取り入れ、苦戦しながらも先生や委員のみなさんのご尽力のおかげで成し遂げることができました。

 この一年間、図書委員として様々な経験をさせていただいたことで人と人との関わり合いがいかに人間性を潤沢にしてくれるのかに気づくことができました。また、こうした素敵な出会いと結びつけてくれた本の力に感服しました。これからもこの繋がりを広めていく細やかなお手伝いができればと思います。先生や委員のみなさんには私の至らない行動でたくさんご迷惑をおかけして申し訳ないという気持ちとともにお力添えいただき本当に感謝しています。

 ありがとうございました。